人間の不安センサーは困ったものです。ネガティブバイアスを持った生き物であるから仕方がありません。
ですが、それが哺乳類全般、恐竜のように強者ではなくて生き延びることができる適応的生き物であるからであり、その性質を否定するものではありません。
危険や危機、不安や心配事は絶え間ないわけですが、その高度なセンサーが予測機能につながって、この世界を戦略的に生きるわけです。
積極的に勝ちに行く戦略では無いかもしれませんが、積極的ではないが負けない戦略であるわけで、小さく負けても大きく負けないことで、チャンスをつないでいるのです。
その意味で、人間は長期戦に強いのです。不安ドリブンではあるものの、リスクマネジメントの性質を活かしながら、大きく負けることを上手く回避してむしろそれを戦略として活かしているのです。
強過ぎる不安は確かに人間にとっては大きなダメージで、一歩も前に進めません。ですが、強過ぎない不安であれば、それに耐えつつ、軽減させつつ、その間に安全な場所に回避して、そこから戦略を立てるのです。
人間である以上、不安は無くなりません。何かがあるから不安なのではなく、そもそも不安という感情を持っているのです。
ですから、不安を過剰に抑制しようとせず、不安をあるがまま受け入れ、不安を認めるのです。
自分の不安と向き合い、自分のものとできれば、後はそれを上手に自らのセンサーとして活用するのです。
不安センサーは高感度ですから、上手く使えばかなり実用的にもなるのです。
そして、不安センサーという強力なツールを備え、戦略を立てるのです。適応的な自分をそのまま活かし、独自の戦略を持つのです。
負けても負けない、という日本語的にも矛盾した表現ですが、大きく負けずに活路を見出す戦略をとりながら、単なる受動的な生存戦略に留まらない、積極的な戦略を持つのです。
適応的戦略は消極的、また、受動的戦略にも見えますが、上手く活かせば、積極的、能動的な戦略にもなるのです。
負けない戦略ですから、その基盤の上で、様々な戦略を立てられるのです。
それはゲームです。面白いゲームです。自分なりの勝ちに行く戦略をゲームのようにして立てるのです。
短期戦でなくても長期戦に持ち込めるし、この手がダメならあの手があるんです。戦略はたくさん立てられます。
ですから、不安センサーは疲れますが、その性質をそのまま受け入れて認めるのです。
そして、負けない、でも、勝てる戦略を立てるのです。