自立とは、自由にも近い言葉です。独立にも近い言葉です。人は、いつだって自立しようとする事は大切だと思います。
とは言え、人は容易に依存してしまう生き物でもあります。それ自体は自然な事だし、しょうがないと思います。
不安になると、人は誰かに、または、何かに依存したくなります。気弱になると、何かに依存したくなります。
細胞が寄り集まってコロニーを作るように、人もそれと同じく、何か寄って、集まって、すがりつきたくなるわけです。人間も生物のうちですからしょうがない事です。
ですが、そうだとしても、自立しようとする事は大切です。人は結局、どこかで自分自身の事は自分独りで引き受けるしかありません。人は一人では生きていけませんが、気持ちの上では、自立する事が大事なわけです。
自分自身が自立を引き受ける事は、他人にも助けになります。一人一人が、自立し始めれば、皆が自立しやすくなるわけです。
逆に言うと、皆が自立せず依存しあっていると、他の誰かも自立しにくくなります。自分の依存心は他人の自立を助けません。自立を阻害します。
ですから、一人でも多くの人が自立出来ると、周りの人たちも自立しやすくなるという事です。
より自立が出来ると、人にも役に立ちます。人と上手くつながる力も身につきます。人とのちょうど良い距離間、ちょうど良い関係が構築できる人というのは、きっとより自立できています。そして、その事は、人の自立を助けるという事につながります。
自分の事は自分が引き受ける。これは自立している事を意味していますが、これを引き受けない場合、それは、自分の事を他の誰かに委ねるという事になります。それはつまり依存という事です。
そのように考えると、自分の事をそれぞれ自分で引き受ける事が良いように思えます。そして、それは普通の事のように思えます。要するに、自立する事が望ましいという事です。
ですが、人間ですからそう簡単ではありません。自分の事を自分で抱えられないのが人間です。支えられないのが人間です。だから、他人に、もしくは、何かに依存しがちです。それで、自分の周りも、社会も、世界も、不和が生じるわけですが、それもしょうがない事態です。人間ですから。
でも、出来るだけ、自立する事は大切です。自立しようとする気持ちは大切です。そう思い始めた時、自立の一歩が進み出して、そして、自分にも周りの人にも良い影響を与えられます。もちろん、自分にも良いし、それが自由な生き方というものです。