いかに自分自身の自律性を維持するかという事は、人間にとって非常に重要な事なのですが、もちろんそれは簡単な事ではありません。完全に自律的に生きる事は出来ませんから、それなりに他人や社会に頼らなければ生きていけませんし、かと言って、他人や社会に頼る事に躊躇が無さ過ぎるのも良くはありません。
自律性を維持するには、自分自身が自由である事に積極的でなければなりません。自由というのは、自分に依るという事であって他人に依るという事ではありませんから、簡単でない事は言うまでもありません。
自分に依って生きるという事は、かなりの範囲で自己責任でなければなりませんから、それは生きていく上でハードな事です。別に、金銭的にも何でもすべて自己責任という事を言いたいのではありません。意識の上では、もしくは、精神的には、自己責任でないといけない、という意味です。
自由というのには、孤独という問題が伴いますが、この孤独というものにしっかり向き合う事も大切です。孤独が嫌だからたくさんの人のいる所でとにかく群れるというのでは良くありません。集団の中に居れば安心、という状態ではいけません。孤独に生きるという事を真剣に考えてみる事が大切です。
「自己」という枕詞のような用語がついている言葉は案外重要です。上に挙げた自己責任というのも重要ですが、他にも、自己充足するというのも大事です。自分で自分を満たすという事です。自己完結するという事もこの場合大切です。自分自身でちゃんと完結させられる、要は自己責任という事と似ていますが、これも大事です。自己をコントロールするとか、自己をマネジメントするとか、自己をメンテナンスするとか、そういった事もとても大事です。
自律という言葉と音が同じものとして、自立という言葉がありますが、これもとても大事です。自立というのは、自分に依って立つという意味で、自由という言葉によく似ていますし、自己責任というものも、自立とかなり部分が重なっています。
人はみんなとつながりたいし、誰かと一緒に居たいわけですが、それ自体を悪いと言っているわけではありません。それは人間ですから普通です。ですが、そのようなものが人間であったとしても、その上で、自律性を維持し、自立的で、自由であろうとし、孤独にも向き合い、自己責任に精神を持ち、自己充足や自己完結する事に積極的である事もとても大切です。それを実践する事は簡単な事ではありませんが、それでもそのように生きていく事は大切です。
