よく人は、「上手くいく」という事を気にするわけですが、それよりも大事な事は、「上手くなる」事です。
「上手くいく」は、上手くいった結果として上手くいったと言えるわけで、結果あるいは結果の状態が重要であるわけです。
ですが、それだと、結果が良くなければ、上手くいったとはならないわけで、その事に取り組んでいる最中は楽しくないわけです。結果が出てはじめて「良かった」となりますが、結果が出なければ良くないわけです。
そして、結果が出た時点から見ると、取り組んでいる最中というのは、過去です。過去の取り組みに対して、今結果が良いかどうかが判断されるわけです。
それでは、取り組んでいる最中は別に楽しくも面白くも無いわけで、結果が出る事に価値が置かれるので、取り組む事自体が動機づけられません。
その点、「上手くなる」は、それを取り組む事で、上手くなっている事を実感できるわけで、フィードバックが速いという事です。上手くいっているという実感が即座に自分自身に伝わってくるわけです。
上手くなったという手応えを、やりながらフォードバックでき、即座に、喜びが得られます。また、「面白い」や「楽しい」を取り組みながら感じる事が出来ます。
それは、言い方を変えると、「上手くいく」は、上でも言いましたが、結果に注目しているのであって、「上手くなる」は過程に注目しているという事です。
結果は、結果が出てはじめてフィードバックが来るため、取り組んでいる最中にはフィードバックがありません。ですから、面白いとか楽しいとかの感情が重要視されません。
面白いとか楽しいとか、そういう感情は、他人が認識して、評価したり、判断したりするものではありません。自分が感じるものです。他人は関係ありません。
一方、「上手くいく」の場合は、取り組んだ後に結果に対して分かるわけですが、ソニ時点で面白いとか楽しいとか、そういう感情にはなりません。
ですから、人は、面白い、楽しいという、自分だけが認識し、評価できる状況が大事であるわけです。それは、「上手くいく」ではなく、「上手くなる」です。
それは、その事を自分の身体であれ何であれ、自分で取り組む事であり、身につける事であり、習得する事であり、習熟する事であり、熟達する事です。熟達する事で、ダイレクトに、自分自身にフィードバックがその場で来るんです。
人は、その意味で、習熟して、熟達して、マスタリーになる事が重要であるわけです。マスタリーを目指すんです。それは、面白く楽しく、自分だけが認識し、実感できるんです。