頭の中の気分は、音楽によって容易に変わります。私は映画やドラマ、ゲームで聴いた音楽が好きで、それらのサウンドトラックをよく聴いています。それらの音楽は観たときの気分や感情の記憶があるから、気分がいまいちの時や身体が疲れている時などに聴くと、それらの記憶が身体にしみついているからか、気分がガラッと変わります。好きな音楽なら、いつだって気分は良い感じになります。思えば不思議な事です。
身体に音楽が記憶としてしみついているというのは本当に不思議な事です。でも確かに、言葉では説明できないけど、「この感じ」というのがあります。この音楽は「この感じ」というのを、自分の感覚としては持っています。でも、言葉では説明できません。
また、そんなにその映画やドラマの場面を明確に覚えているわけでもなかったりします。でも、音楽の記憶はあります。聴けばすぐにあの音楽、あの映画の音楽というのが分かります。これも不思議です。同時に、映画を観ていた時の気分も音楽とともに蘇ります。むしろ気分だけを覚えているくらいです。その気分が心地良く、そして、その音楽が心地良いわけです。
そして、その独特の気分を伴った音楽が、唯一無二の気分という感じがします。他の音楽では代替が出来ません。その音楽と、それに伴う気分は、その映画、そのドラマだけから生まれたものです。言語認識、顔認識と並んで、音楽認識、気分認識のようなものがあるのではないかと感じます。知っている顔を見たときに、その人を瞬時に認識できるように、その音楽を聴いたときに、その映画、そのドラマを瞬時に認識できる、そういう感じです。
音楽の記憶は、その時のイメージ、画像、映像をもたらすからかもしれません。そして、気分や感情をもたらすからかもしれません。映画音楽やドラマの音楽、ゲーム音楽なら、映像と気分の両方を記憶として蘇らせます。ただ音楽を記憶するだけなら、それは感情や気分だけの記憶かもしれませんし、その時に抱いた自分の中のイメージの記憶も伴うかもしれません。とは言え、音楽の記憶には必ず感情や気分が伴います。非常に不思議です。
音楽の記憶は、どんな疲れていても、どんなに気分が悪くても、その音楽を聴く事でその時の気分が蘇り、気分が変わります。映画やドラマ、ゲーム音楽なら、映像の記憶も伴ってなおいっそう大きく気分が変化します。いつだって、そんな音楽はそばに置いておきたいし、それこそ友達のようなものです。