地理や地形は、人の営みと密接な関係があります。そこに川があるから人はそこに町を作り、そして、その川に橋を架ける事で、町と町は行きかい、つながるわけです。
そこに川があるのには、何の必然性もありませんが、川があるから町が出来る、という因果関係があるわけです。確かに、そこに在る営みには、営みが生まれる理由があるわけです。
人間の文化とはそのようにして生まれるわけで、文化は経済とともに生まれます。新しい文化は経済を発展させ、そして、経済の発展が新しい文化を生むわけで、経済と文化は相互に関係しているわけです。
現代だと、例えば、駅は現代の地形と言えるわけで、駅があれば、その近くには喫茶店が栄えるわけです。現代では、駅と喫茶店は切っても切れない関係であって、もはやそれすらも、現代的な風景であり、新たな地形です。
地形は、文化が生まれる原因となりますから、駅は現代の潜在的地形であり、駅そばにある喫茶店も、現代の新たな地形です。
地形は、様々な形態や組み合わせがあって、川が扇状に分かれていく事で、その間の扇状地には田んぼが出来るわけですが、これも地形が生んだ人々の営みであり、文化であるわけです。当然、波の穏やかな湾には港があり、港があれば、そこでは魚市場が栄え、町も栄えます。海と川には船が行き交う事も出来ますから、海から川、川から海へと、人も行き来でき、モノも行き来でき、貿易も盛んになるわけです。
地形は新たな地形を生み、そして、その地形とともに文化は栄え、そして、その文化が潜在的な地形となって、そこにまた別種の文化が生まれるわけです。そのような発展を支え、つないでいるのは、人の営みであり、経済であるわけです。
現代における駅も、駅そばの喫茶店も、喫茶店のコーヒーも、車も、道路も、何もかもが、文化であるとともに、新たな地形となるわけです。
地形は、文化を生み出すために存在するわけではありませんが、どのような文化が生まれるのかは分からなくても、文化を生み出す潜在性はあるわけです。
人は、そこに山があって川があれば何かを作り、駅があって喫茶店があれば何かを作ります。その何かとは文化であって、それは意図しようと意図せずとも、文化になる可能性があるわけです。
そこで、何が地形になるかはいつだって分かりません。でも、どこにでも潜在的な地形があるわけです。潜在的地形が、新たな地形となり、そして、文化が出来、そして、その文化が新たな地形となるわけです。
そのようにして、地形と文化とともに人の営みは続いていくんです。