人は、人への感謝の気持ちが大切であるという事を、よく聞いて知っているわけですが、どうしてそう言えるんでしょうか。
主観的なウェルビーイングの5つの要素のうち、ポジティブな感情というものがあって、確かにその点からも、感謝の気持ちを感じるのはポジティブな感情と関係する事が想像できます。
また、人間関係が良好な事も、主観的なウェルビーイングの5つの要素のうちのひとつで、その事も、感謝の気持ちと関係があるという事を示しています。
その意味で、幸せとか、ウェルビーイングとかの観点から、人への感謝の気持ちをいつも感じて、また、いつもそのように実践する事が良いという事が分かります。
また、ポリヴェーガル理論では、人と接するときに使う迷走神経系を活発に使う事で、身体の状態が良くなるという事も、この事に関係があります。
例えば、自分自身が笑顔になる事は、顔面神経を活発に使う事につながるわけで、この事が身体に快の状態をもたらし、健康にもなるわけです。
声を発する事も、喉頭の運動を支配する迷走神経に関係していて、これも身体に健康をもたらすわけです。ですから、人と気持ちよく挨拶したり、感謝の気持ちを言葉にしたりする事が重要なわけです。
逆に言えば、感謝の気持ちとは逆に、ネガティブな気持ちばかりになっていると、ポリヴェーガル理論的にも良くないと言えます。
心配事が多かったり、不安や恐れをいだいていたり、嫌悪感でいっぱいだったりすると、身体を守るために、迷走神経が身体の活動を停止する方向に向かうように活動してしまいます。
身体を守る事は、生き延びるためには必要ではありますが、あまりその状態が継続すると、より幸せを感じる身体の状態からはかけ離れてしまいます。
ですから、ネガティブな気持ちでいるよりも、ポジティブな気持ちでいる方が、身体にとっても、幸せにとっても良いわけです。当然と言えば当然です。
そのような観点から、あらためて、幸せでありたい、幸せを感じていたい、という事を望むならば、人への感謝の気持ちをいつもいだいていた方が良いという事になります。
毎日のように、人と接するときに、感謝の気持ちをいだいたり、感謝の気持ちを表したりすると、それだけでも、身体として心地良い状態になるし、相手からも、ポジティブなリアクションがもらえるわけです。それも、自分自身にさらに元気を与えてくれることにつながります。
だから、感謝の気持ちを表す事は、出し惜しみすることなく、実践していった方が良いと言えます。