人は自分の事ばかり考えています。いつも、自分の思い通りになってほしいと思っています。また、自分の気分が良くなる事ばかりしようとしてしまいます。
そしてたいてい、自分の事ばかりになり過ぎて、上手くいかないわけです。
諸法無我みたいな言い方をされるのは、自分の事ばかりになっても、ちっとも良くはならないからです。エゴの問題というわけです。
ナルシシズムも、似たような問題です。自分の事にしか関心が無く、他人もみんな自分の為に存在していると無意識に思っているわけです。
自分の気分が良くなるように、他人と接し、他人を利用してしまうわけです。自分はそのつもりが無くても、気が付いたらそういう事をしてしまっていたりするわけです。
ナルシシズムは他人の問題のように思えて、自分自身の問題たったりもするわけです。他人ごとではありません。
結局、よく考えてみれば、自分の事ばかりに夢中になっているようで、自分の事を本当の意味で関心を持っていないわけです。
自分の心や気持ちに、ちゃんと気付いてあげていないわけです。
その意味で、動物と同じで、外から自分に刺激が入ってきて、五感がそれを感じて、情動がそれに突き動かされて、自分はただ反応してしまっているだけです。
情動の変化が、気分として嫌なものだったらそれを回避しようとして、気分として良ければそれを好んでまたそのような情動の変化を求めるわけです。
ただ、それでは、単に刺激に反応しているだけで、自分の心や気持ちを無視していて、いつまで経っても満たされないわけです。
大事な事は、自分を大切にする事です。自分の心を知ろうとする事です。自分の気持ちに気付いてあげる事です。
これは、落ち着いていなければ、確かにできません。不安が強かったり、恐れを抱いていたり、余裕が無かったり、焦っていたりすると、自分の心や気持ちに気付く事は出来ません。
マインドレスのままでは、自分はずっとエゴイスティックで、ナルシシズムのままです。
そうではなく、自分の心がどう反応しているのか、気付くようにする事です。自分の気持ちを大切にする事です。その状態の事を、マインドフルネスと呼ぶわけです。
マインドフルに、自分を観て、自分の心に向き合い、自分の気持ちに気付くという事です。
そうする事で、ずっと自分の中に閉じ込めていた自分を外に解き放つ事が出来ます。自由にしてあげる事が出来ます。心が自由でのびやかでなければ、ずっと心は無く、エゴイスティックにしがみつき、ナルシシズムのままです。