歩行瞑想。歩行禅。色んな言い方があるようですが、要は、歩いている時に意識が散漫にならないように、意識を自分に向ける。大事だと思います。
座禅は、座って瞑想するような事ですが、歩行禅は、歩きながら瞑想する。そういう事です。
歩いている時、意識が散漫になりやすいものです。周りも、気が散る景色に囲まれていますし、人々もたくさんいます。つい、目が周囲にいってしまうし、耳も周囲の方に向いてしまいます。考えている事も、周りの事に引っ張られてしまいます。全然落ち着けません。
また、歩いていると、頭の中が暇になって、思いつくままに考え事をしてしまいます。ネガティブな事を思い出しては、その事についてずっと考えを巡らせてしまいます。考えなくてもいいような事も、何故か歩いている時に、頭が散漫になって考えてしまいます。意図せず無駄な思考をしてしまうわけです。
要するに、歩いている時に、煩悩に苛まれてしまうわけです。
煩悩は仏教では良くないものとします。煩悩は滅する事が大事です。
そういう意味で、歩いている時に、歩行禅を実践するという事です。
毎朝歩いているとしたら、その時間は、歩行禅に当てるとても良い時間になります。歩きながら、意識を自分に向ける事に集中させるという事です。
歩きながら、意識を身体に向けるわけです。身体のどこが動いているのか。身体のどこが痛いのか。身体のどこか疲れているのか。注意深く、身体の感覚に意識を集中させるのです。
また、歩いている時の姿勢にも注意を向けます。歩いている時の姿勢が猫背になっていないか、首が前に出過ぎていないか。踏み出す足が蟹股になり過ぎていないか。
過剰に急ぎ過ぎていないか。腕はちゃんと触れているか。膝はちゃんと上がっているか。しっかり歩けているか。
また、呼吸はちゃんと出来ているか。浅くなっていないか。速く歩き過ぎて呼吸は乱れていないか。
そのようにして、歩いている時の身体の状態についてくまなく注意をする事によって、頭が散漫になるのを妨げるのです。
このような歩行禅を、毎日の習慣にするわけです。仕事場への行きも帰りも歩いているなら、その時間、煩悩に振り回されたり、歩きスマホをしたりせずに、歩行禅を実践する。とても良い習慣です。
歩行禅を習慣化する事で、歩行する事による身体の改善だけでなく、煩悩も滅し、精神も落ち着かせることが出来ます。マインドフルネスのとても良いトレーニングになり、気が付いたら身につきます。