人は自分に対する期待値を上げ過ぎる。そういう傾向があると思います。他人は世の中に対する期待値も上げ過ぎるわけですが、自分に対しても上げ過ぎるわけです。
期待値というのを、要求度という言葉に置き換えてもいいかもしれません。自分に対する要求度が高過ぎるわけです。
仕事は良い例です。自分のやっている仕事に対する評価、仕事に対する要求度が高過ぎるという事です。
自分に対する要求度が高過ぎるとどうなるかというと、自分に対して常に評価が厳しくなって、その結果、自分の対する評価は高くなりませんから、いつもつらい気持ちを抱えてしまう。そういう事です。
自己評価が常に低くなってしまう。そういう事につながってしまうという事です。
何故そうなるかというと、社会から、もしくは、他人から、そのような高いレベルを期待されている、要求されているという観念を、知らず知らずのうちに自分の中に内在化させてしまっているからです。
だから、自ら常に「自分は十分ではない」、「自分はダメだ」と、高いところからの厳しいジャッジをしてしまって、自己評価を下げてしまっているわけです。
人が何故か働き過ぎてしまう要因はこれで、常に自分は十分ではないとレッテルを貼りながら自己評価を下げ、精神的にネガティブな状態で、また、疲労した状態で、働き続けてしまうわけです。
これでは、全然仕事は楽しくありません。苦しいばっかりです。日本人は、このような仕組みを内在化しやすいと思います。
そして、この「自分に対する期待値を上げ過ぎる」仕組みは、仕事に限った話ではないと思います。あらゆる事柄について自分に対していつも期待値が高く、無駄に要求度が高くなって、精神的に苦しんでいると思います。
自分が苦しいんでいる事について、そのような観点で振り返ってみたら、案外そうなっています。誰もそんなに気にしていないのに、自分だけが、自分に対して、過剰に期待をしています。
もちろん、その原因は、仕事の場合なら、仕事に対する不安を抱えていますから、その不安が自分に対する過剰な期待につながっているわけですが、これをすぐに改善する事は簡単ではありません。
まずは、その前に、自分自身がこのような仕組みになっていないか、自分に対して過剰な期待をしていないか、過剰に無駄な要求をしていないか、そういう事に気付く事が大切です。
その事に気付けば、色んな事に冷静に対処できます。自分の不安に気付いて、その事に冷静に対処する事は大切です。
そういうわけで、人は自分に対して期待値を上げ過ぎる傾向があります。ですから、その事にちゃんと気付いて、自分の抱えている不安は何なのか、過剰に要求が高くなっていないか、知る事は大切です。その事によって、苦しみは軽減して、楽にやっていけます。