自分にとって「これが大事だ」と思う事を中心に生きていくのがいい。そう思います。言い方を変えればそれは当然で、自分にとってそう思えない事を中心に生きていくのはきつい事です。
このようにして生きる事に立ちはだかる問題は、「これが大事だ」と思う事があってもそのようには生きてはいけないと思い込んでしまう事です。そう思い込んでしまうと、そのような方向に足は踏み出ません。
人生は踏み出さない事には進まない。事実を積み重ねていかない事に進まない。そういうところがあります。一方で、人生は事実を積み重ねたものですから、積み重ねた事実、踏み出して進んできた事実が、「これが大事だ」と思っている事ではないという事もあって、そのように生きれば生きるほど、それらの学習によって、「これが大事だ」と思う事があってもそのようには生きていけないと思う事が当然になってしまいます。
生きていると、つまり、事実を積み重ねていると、段々と、「これは大事だ」、「これはそんなに大事ではない」、という事が分かってきます。「これは大事だ」と思う事があったら、それは大きなチャンスです。「これが大事だ」という方向に足を踏み出していけばそれが事実になり、そして、そのように生きていけるという事を実証する事ができるにようになります。そのような自分に対する実証は、自分自身が生きていく大きな励みになります。
人間は学習する生き物です。行動によって変容していく生き物です。行動や学習によって事実を作り、積み上げ、そして、同時にそれ自身に変容していく生き物です。自分たち人間がこのようにして変容していく生き物である事を知ったなら、「これが大事だ」と思う事の方向に変容していくのが良いという事が自ずと分かってきます。逆に言えば、「これは大事だ」と分かっているのにそのように変容しない、もしくは、「これは大事ではない」と分かっているのにそのように変容していく、というのは、とてもきつい事になるという事です。
人間社会全体も、「これが大事だ」と思っているのにそう思って生きていけない社会より、「これが大事だ」と思う事を中心に生きていける社会の方が良いように思います。人は、「これが大事だ」と思ってそれを中心に生きている人を見る事で励まされ、自分自身が「これが大事だ」と思って生きていると、それを見た人も励まされます。自分も人も非常に生きていきやすいように思います。その為には、まずは自分から「これが大事だ」と思う事を中心に生きていく事です。