恐竜は、一昔前に生きていた、人間よりもはるかに大きな生物です。そして、恐竜はすでに絶滅しているわけですが、人はその事から多くを学んでいるわけです。
恐竜は肉食が多いですが、生存する為の競争が激しく、それによって個体数は激減するわけです。また、個体としても大きいですからかなりの資源を必要とし、それも生存を難しくします。
基本的に、恐竜の世界から想像できる事は、弱肉強食の世界であり、強いものが生き残り、弱いものが生き残らないわけです。この仕組みは依然として散見されますが、少なくとも、哺乳類は恐竜が絶滅する一方で、生存してきたわけです。この違いは、恐竜の世界から想像する弱肉強食の世界は脆弱であるという事を学ばせてくれます。
人類の歴史は、長い間たくさんの国が栄えましたが、ひとつとして生き残っているものはありません。かつてあった国の成れの果てみたいな国は幾つか見られるものの、大きくその形を変え、基本的には無くなっています。
あらゆる統治システムは試みられてきましたが、どれも生存した例はなく、その意味で、あらゆる昔の国はすでに絶滅しました。
人間は、国の統治のあり方として、統治システムを改善する事によって、何とかこれまで人間自体を絶滅させずに生き永らえてきたと言えますが、少なくとも、弱肉強食の統治システム、もしくは、強いヒエラルキーシステムの国は、存続していません。
恐竜と違って、哺乳類は生まれてきた子を大事にするシステムを育ませる事によって、個体数が少なくても絶滅せずに存続する事を可能にしました。
また、恐竜のように強くなくても、人間のように弱い個体でも生存する事を可能にしました。
この事からも、生きていく為には強くないといけない、というわけではないという事を、恐竜から学べるわけです。いくら強くても絶滅するわけです。一方で、いくら弱くても絶滅しないわけです。
ジャングルの猿は、他の動物よりも強かったのかというと、おそらく弱かったわけです。ですが、絶滅せず生き残ってきたわけです。
ライオンも、熊も、個体としては強いわけですが、現代ではもはや絶滅しそうな生き物です。弱肉強食の世界として代表格としてのライオンも、生き方を変えなければ絶滅するわけです。それは、想像に難しくありません。
猿の子孫としての人間は、弱肉強食の世界を作っても絶滅する事を知っています。ですから、そうではない世界をいかに実現するかは、重要な問題です。