人間は、色んな事が怖くて仕方がない生き物だと思います。怖くて仕方がないから、怖い事から身を守る。それが基本的な生き方だと思います。
周りは危険ばかりだし、怖い事でいっぱいだから、びくびくして警戒しながら生きる。そうなります。不安と恐怖でいっぱいです。
いかに、不安と恐怖に適応するか。これが、最初に取り組まないといけない生き方。そうなります。
人間の古い脳は、そのように創られています。生物の進化で伝えられてきた脳に従えば、生き方はそうなります。とても自然です。
危険でいっぱい、敵でいっぱいですから、それにいつでも対応できるように、常に警戒を怠らず、何かあればすぐ戦えるように、逃げられるように、闘争・逃走反応を発揮できるように。アドレナリンも、テストステロンも、コルチゾールも、そのような事の為に使います。
この生き方は、他の動物も含めて、ある程度生存し続ける事が出来ます。どんな危険にもいつでも対応できるように気を張って警戒していますから。
ですが、この生き方は、生き延びる事は出来ても、ちっとも幸せではありません。幸せからは縁遠い生き方です。というより、幸せとは無縁の生き方です。
幸せと無縁でかまわないなら、この生き方で十分だと思います。人間社会でも、資本主義社会の現代では、十分この生き方は有効です。幸せやウェルビーイングとは完全に無縁ですが、有効です。
でも、幸せに生きていきたいなら、話は違ってきます。ウェルビーイングを意識しているなら、話は全く変わってきます。その場合は、そのような古い脳の振る舞いに任せていてはいけません。
幸せやウェルビーイングを大事にするなら、絶対に大事な事は、安心感や安全感です。安心や安全を感じないと、身体や脳の警戒モードは解けません。警戒アラートが鳴っているうちは、決して安心や安全は感じられません。
ですが、安心や安全が感じられれば、警戒モードは解く事が出来ます。これが解ければ、心身がリラックスして、心地良さを獲得して、幸せ感が得られます。
とにもかくにも、安心や安全が大切なわけです。この状況が整わないと、安心して幸せを感じられないし、これ以上のウェルビーイングな生き方は出来ません。
人類はそろそろ、資本主義社会をどうするか、考えないといけないのかもしれません。今世紀は無理でも、来世紀は資本主義社会よりも安心できる社会を作らないといけないかもしれません。まだそのような世界は見えませんが。
とは言え、幸せやウェルビーイングを感じたいなら、古い脳に任せていてはいけません。安心や安全がとても大事です。