人は常に自分自身でしかない。主観的な生き物ですから、そうでしかないと思います。
人は、成長するとともに、何か大きなものになっていくような期待をしてしまいますが、そんな事はありません。いつだって自分は自分自身であり、いつまで経ってもちっぽけな自分なままです。
家族を作ったり、仕事をしたり、発展させたりして、どんどん自分自身が巨大になっていくって思ってしまいますが、そんな事はありません。
常に、自分は自分自身以上ではないわけです。常に自分なんです。自分を超えていくなんてことはありません。
自分自身を超えていく、みたいな期待は、自己効力感を求めようとする心の状態です。
自己効力感を求めるという事は、今の自分が自分自身では足りないと感じているわけです。自分自身に不安だったり不満だったりしているわけです。だから、何か自分以上の状態になる事を求めてしまうわけです。
今の自分では出来ないような、何か凄い事が出来るようになったら、自分に力があると感じられるような気がします。ですが、それは自分自身に今力が無いと感じているという事の裏返しです。
人からより自分は凄いと評価されるようになったら、自分に力があると感じられる気がします。ですが、それも自分自身に今力が無いと感じているという事の裏返しです。
自分により大きな力があるとか、何か凄い事ができるようになるとか、そういった事をエンジンにして生きていこうとしても、きっと上手くいきません。
自己効力感でドリブンして前に進んでいこうとするのは、今の自分に不安があり、不満がある証拠であるし、それでは結局不安定なままであり、また、自分が確かに持っている力をないがしろにしてしまいます。
自分自身を超えていこうとするより、自分自身に今どんな力があるのか、その事をちゃんと認識した方が良いと思います。
今の自分には、自分なりの力があります。力が身についています。それをちゃんと大事にするんです。そして、その実行性ある力をただちゃんと使う事を意識するんです。
いずれにしても、常に人は自分自身だけのちっぽけな存在です。自分自身より大きくはなりません。ですが、自分にとって自分自身は確かな存在です。力を持った存在です。
常に自分自身であるという事実。その事を受け止めて、そんなちっぽけな自分自身で十分に生きていける。自分の持っている力で十分やっていける。その事をスタートにして生きていったらいいんじゃないかと思います。