毎日の習慣や哲学の実践をつづるブログ

毎日の習慣、考えている事、実践について、基本哲学好きとして、とにかく書き続けています。

仕事がつらいのは、「人間関係」ではなく、「人の気を引きたい」という欲求。

仕事ってなんだかんだ疲れますよね。仕事がつらい理由によく言われるのが、「結局、人間関係が仕事がつらい原因だ。」というものです。確かに、そうかもしれません。

 

仕事をしていると、色んな人と接するわけですが、自分に合う人もいれば合わない人もいる。でも、それを選べないから、どうしても、自分と合わない人と仕事をせざるを得なくなって、それでつらくなる。そういう事もあるかもしれません。

 

でも、仕事がつらいのは人間関係によるという事になると、仕事をしているすべての人が人間関係の中で仕事をしているわけですから、全ての人が仕事がつらいという事になってしまいます。ですが、実際はそうではありません。仕事がつらいと思っている人もいますが、それほどつらくないという人もいます。

 

そのように考えると、仕事がつらいのは、人間関係ではなく、その人によるとも考えられます。その人自身の要因によって仕事がつらいという事です。

 

その要因の1つが、「人の気を引きたい」という欲求ではないかと思います。

 

人は基本的には、人の気を引きたいという欲求を持っています。注目を集めたいのも、認めてもらいたいのも、愛されたいのも、人の気を引きたいというものに似ています。

 

人の気を引きたいという欲求は人間が生存していく上で根源的なものです。赤ちゃんが生きていく為に、他者を求めるようなものです。他者がいないと生きていけません。他者に頼らないと生きていけません。人間はそこから始まりますから、どうしても、人の気を引くという事を自然に身につけます。むしろ最初から潜在的に備えているようなものです。

 

それは、鳥の巣のひなが、親鳥から餌をもらう時に大きな口を開けて餌を求める本能に似ています。

 

人間は大人になるにつれて、人の気を引く事を際限なくやらなくなります。いつまでも赤ちゃんではないですから、世界の全てを全部独り占めにしようとする事はできません。

 

とは言っても、根源的には、人の気を引きたいという欲求は持っています。なので、どうしたって、いろんな場面でその欲求が現れてしまいます。発動してしまいます。仕事をしていると、人間が周りにたくさんいるのでどうしてもその欲求が出てしまいます。

 

仕事ですから、人の気を自分も引きたいわけですが、他の人も引きたいわけです。互いに気を引きたいわけですから、綱引きになります。みんなで、複雑に絡み合った綱を引き合う事になります。

 

そして、この「人の気を引きたい」という欲求が強いと、当然強く誰かの気を引こうとしてしまいますし、逆に言えば、誰かに強く気を引かれようとするわけです。ですが、人間は、誰かの気は引きたいですが、誰かに自分の気を引かれたいというわけではありません。

 

なので、人の気を引きたいという欲求は、裏返せば、自分の気を誰かに引かれたくないという気持ちにもつながります。むしろ自分が気を引きたいわけですから。ですが、仕事では、多くの人が関わって、多くの人から人の気を引こうとされるという綱引き状態になりがちで、気を引かれることでいっぱいになっています。

 

また、自分以外の誰かが多くの人の気を引く事もあり、自分は誰の気も引けないという事もあります。人一倍人の気を引きたい自分にとって、誰の気もひけないのは、とてもつらい事です。

 

仕事はつらい。確かにそうですが、それは一概に人間関係によるというのではなく、「人の気を引きたい」という欲求によると言えます。ですが、他の人もみんな気を引きたいわけですから、それを独占する事は出来ません。そして、他の誰かが多くの人の気をひいたり、自分は誰の気も引けなかったりという事も起こります。そういう事が、仕事のつらさにつながるわけです。