人が前を向いて進んでいくのは、自然な事ですが、前を向いて進んでいけない時は困った事態です。それでも、基本的には前を向いて進んでいくのが良いと思います。
その時、気持ちがついていけない場合があります。実践的には、どんな事態であれ前を向いて進んでいくのが良いわけですが、気持ちがその事に抵抗してしまうわけです。ある意味、それがまた人間の自然なわけですが、問題になるのは、この気持ち、精神状態をどうするかっていう事です。
精神の状態をコントロールするためには、身体にアプローチするのが良いと思います。精神の状態は身体の状態の一部のようなものですから、引き受けられない精神は身体で引き受けるしかありません。でも、身体はちゃんと引き受けてくれます。
例えば、人間にはバイオリズムがあるわけですが、このバイオリズムは身体の持つ大きな仕組みなだけに、頭で考えてどうにかするのはかなり難しいものです。身体のバイオリズムはそれ自身に任せるしかありません。そのバイオリズムは、調子の良い状態から調子の良くない状態を行き来する周期を持っています。基本的には、この周期に身を任せるしかありません。でも、上手くそれに身を任せていれば、自然とその周期に乗って、調子は戻ってきます。
それと一緒です。精神の状態は、身体の大きなバイオリズムに任せるがごとく、身体に委ねるのが良いわけです。そうする事で、精神の良くない状態は、身体の力によって自然の良い状態に戻っていきます。
そういう意味では、日頃から身体の状態を上手くコントロールする事は大切です。コントロールするというか、上手くメンテナンスする事は大切です。
その為には、自分の身体の事をよく知っていなければなりません。自分のバイオリズムをよく知っていなければなりません。それを知っていれば、それに上手に乗って、任せて進んでいく事が出来ます。身体の舵取りみたいなものかもしれません。でも、そういう事をよく知っていると、いろんな場面で大いに助かります。人というのは基本的には身体から出来ているわけですから、その身体の事をよく知っているのは基本と言えます。
そのようにして、自分の身体の事をよく知って、上手く身体のバイオリズムにとって舵取りをする事によって、自分が前を向いて進んでいく必要のある時も、それがいかに困難に思えても、何とかなるわけです。確かに、気持ちは乱れるし、精神は不安定になりますが、身体が上手に対処してくれます。そのような意味では、いつだって身体の舵取りを上手くとれるにしておくことが肝心です。