基本的には、人は常に何かに関わり続けながら生きています。そして、何かと関わり続けながら、何かが為されて、その痕跡として何かが残っていくわけです。人生とは基本的にそういうものであって、最初からこの先のある時点で大きなことを為そうなどと言って、何かをやっているわけではありません。
何か将来に向けて何らかの目的を持ってそれに向かって何かをやっていくという事はあるでしょうが、そうでなくても、ただ何かに関わり続ける事で、何かが為されていくという事はかなりあります。目的やゴールを設定して何かをやっていこうとも、それらを設定せずに何かをやっていこうとも、いずれにしても、その何かに関わり続けているわけです。そして、何かが痕跡として為されているわけです。
何か目的があって、何かに関わり続けるのではなくて、基本的には何かに関わり続けていて、その一部として、何かの目的に対して何かに関わり続けているという事です。
例えば、食事は何かの目的の為にやっているかというと、そういうわけでもなく、ただ食べたいから食べているのであり、確かにより健康になるために食事をするという事はあっても、それとは関係なく、ただ食べるという行為をやっているわけです。
おしゃべりもそうです。人とおしゃべりをするのも、何か目的があってやっているのではなく、ただおしゃべりしているのであって、おしゃべりのうちの一部は、確かに何らかの目的の為におしゃべりをしていますが、ほとんどは非目的なわけです。
人の営みというのはそういうものです。何かに関わるという事のうちのほとんどは非目的であって、目的がある事は一部です。むしろそうあるべきです。その方が心地良く過ごしていられます。
その意味で、常に何かに関わり続けている事で生きているわけですから、それに目的をくっつける事を考えようとせずに、非目的に、ただその関わりを大切にするのが良いと思います。
何かに関わりながら、何かを感じ、その関わりからフィードバックが必ず得られます。そのフィードバックは自分の中にちゃんと蓄積されて身について、自分を成長させ、発展させます。
そのように常に変わり続ける自分にちゃんと気付いて、認識していく事も大切です。大切だし、それはとても面白い事です。関わりの中で常に自分は変わっていくわけですから。自分自身も、諸行無常のうちにあるという事です。
そういうわけで、人は常に何かに関わり続けています。関わり続けていく中に大切な事はあって、その事で変わっていく自分をちゃんと認識し、その中から新しい発見をするのです。