毎日の習慣や哲学の実践をつづるブログ

毎日の習慣、考えている事、実践について、基本哲学好きとして、とにかく書き続けています。

人はどのように自由を獲得してきたかについて考える。経済、資源、資本主義など。

人間が、どのようにして自由を獲得してきたかという事について、経済に関する事について考えていこうと思います。

 

人間は、本来不自由な自然の中から生まれて、その歴史的な過程で人間の方法によって自由を獲得してきたという流れで考えてきたわけですが、経済に関しても基本的には自然の世界を背景にして、生きていくという自由をその自然から獲得してきたと言えると思います。人間は、自然から構成される身体があって、地球上の自然の資源を利用して、食べ物など生きていく為に必要なものを得て、生を全うする事を可能にしています。その意味で、実質的に、不自由な自然を利用して生きる自由を獲得していると言えると思います。これが、経済による自由の基本的な考え方だと思います。

 

そして、経済に関するもう一つの重要な自由は、市場の原理や資本による経済発展の理論など、人類が発明してきた経済の方法による自由というものがあると思います。市場の原理では、人々が生きていく上で必要なものである需要と供給が、人々の自由な活動に基づく市場に任せる事によってバランスが保たれるというものです。この供給には、元を辿れば自然の資源を利用したものも多く含まれますが、人々の自由な生産活動によって生まれてくるものです。

 

また、現在私たちの生活や社会の基盤となっている経済システムとしての資本主義経済も、人間の自由に基づくものと言えます。20世紀前半にシュムペーターが経済発展の理論として資本の論理を上手く説明していますが、人々は自然の資源を活用したものであれ、それまでの富の蓄積であれ、それらの資本を元手に、さらなる経済、富を獲得するために、新たな事業や生産活動に投資をし、そこで人々が人間の自由の活動に基づいて新しい価値を創造して今までにないものを生み出し、これによって実質的に新たな経済、富を獲得するというものです。資本の投資額に対して、人間の自由の活動によって創造された価値の額が上回れば、経済は発展する事になります。また、資本が無くても、借金をする事によって資本を得てそれに基づいて同様に人間の自由の活動によって新しい創造をする事も可能で、創造された生産物が利子とともに借金を上回れば、利潤を得る事ができます。この仕組みの本質は、人間の自由の活動です。いわゆる仕事や労働は、人間の自由の活動に相当していて、これによって経済の発展を持続するというものです。ですが、あくまで論理的な仕組みであって常に経済活動は成功しているわけでありませんから、経済は停滞したり、衰退したりする場合もあります。現状では、世界的にも、経済の成長をベースとする事が期待されています。

 

以上、経済の自由に関しては、不自然な世界である自然の資源を利用して経済的な営みを実現して、生きていくという自由を獲得しているという事と、人類が発明した市場の原理と経済発展の理論などの人間の自由な活動に基づいて、人間の生きる自由が得られているという事です。人間は、この社会の中で、自分たちの自由の活動によって一定の自由を獲得し、その確保された一定の自由の範囲で、経済的な自由、経済的な自立を可能にしていると言えます。これが、現代で実装されている社会システムでの実効的な経済的自由です。これ抜きにして現代社会を生きていく事は困難です。

 

現代の人類が抱える問題としては、1つめに挙げた自然の資源を利用した自由の観点で、自然の資源の問題があります。かつては人類の生産活動は自然の資源に対して極めて小さく無限とみなされていたものが、現代の人間の生産活動が増大していて、自然の資源が相対的に有限であるとみなされるようになってきた事です。その意味で、昨今は、SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))が国際的に定められるようになってきて、循環型の経済システムの実現が急がれているという状況になっていいます。

 

今回は、どのようにして自由を獲得してきたかという事について、経済による自由についてお話してきました。今後、また別のトピックで自由に関して考えていこうと思います。