毎日の習慣や哲学の実践をつづるブログ

毎日の習慣、考えている事、実践について、基本哲学好きとして、とにかく書き続けています。

何故「我慢」「忍耐」「辛抱」が大事なのか。それには仕組みがあるんです。

皆さん、小さい頃から勉強するとき、「我慢」「忍耐」「辛抱」が大事と言われてきませんでしたか。特に日本は「我慢」「忍耐」「辛抱」する事は昔から美徳とされてきたように思います。そのせいもあってか、嫌な事でも我慢にしてやらないといけない。そんな風に躾けられて、押し付けられて、嫌な記憶として刻み込まれている人もたくさんにいると思います。

その結果、受験勉強などで、我慢我慢の毎日で、勉強が嫌いになって、大学に入った頃には勉強は大っ嫌いになって燃え尽き症候群みたいになってしまった人はたくさんいるのではないでしょうか。我慢して何かをやることが嫌な事でしかないと頭や身体が覚えてしまって、大人になって我慢できなくなったとか、頑張れなくなったとか、あると思うんです。そして、もう、「我慢」「忍耐」「辛抱」は、日本の悪しき伝統で、間違えた教育法で、そもそも我慢して何かをするのは良くない事で、楽しく自由にのびのびとやることが一番大事だと信じるようになると思います。

楽しく自由にのびのびする事は、決して間違えていないと思います。最近、スポーツでも、スキーやスノーボードなどでは、ヨーロッパの練習法や教育法が自由に基づいていて、一時期日本の柔道やバレーボール、あらゆる日本のスポーツの教育が間違えていたと非難されていたほどです。

 

とはいうものの、「我慢」「忍耐」「辛抱」は、いまだに正しさもあって、ちゃんとやれている人はやれていて、仕事の場面でも結果や成果を出しています。そういう意味で、「我慢」「忍耐」「辛抱」の意味を、日本の美徳とか、抽象的な概念に押し込まないで、しくみとして考えてみたいと思います。

 

基本的に、「我慢」「忍耐」「辛抱」が大事と言われるのは、人間はいつも社会で結果、成果を求められるからです。そして、社会から求められないとしても、自分自身、結果、成果を出すと気持ちが良いと感じるからです。では、結果や成果は実際どのように出るのでしょうか。

それは、行動や実践の結果だと思います。もちろん、行動さえすれば良い結果につながるとは限りません。ですが、行動さえできれば、結果が出るチャンスが生まれます。結果や成果は、その良し悪しは後で判断されるものではあり、成功や失敗は結果を見ないと分からない事ですが、大事な事は、行動や実践の結果、結果や成果ははじめて生まれるものだという事です。成功か失敗かは、行動や実践の程度や制度を上げた結果に依存するものです。そして、行動を継続することが大事です。結果として表れてくるのは、一回や二回やってみるだけではだめです。確実な結果は、行動の継続が大事などです。

 

この話は実は、習慣の話をしています。習慣を作るというのは、自分自身を変化させることです。習慣になる前と、習慣になった後とでは、明らかに自分自身は以前とは異なる人間になっています。人は、変わりたいのです。進化したいのです。逆に言えば、人間は全く同じ状態でいることに耐えられません。確かに進化を実感したとき、確かな成長を実感したとき、脳は喜びます。だから、脳や身体に確実な進化を起こすためには、実践の継続が必要なのです。同じ事を野球の素振りの練習のように繰り返すと、身体が勝手にスイングを覚えます。自動化します。人間の記憶学習のメカニズムです。一回や二回スイングするだけでは身体はスイングを覚えません。毎日毎日継続することです。そうやって、人間は記憶学習のメカニズムによって確実に変化できます。この変化を人間は求めているのです。

 

何かできない事に取り組む時、それが本当にできるようになるのかならないか、分かりません。未来はどうなるか分かりません。人は、不確実な事、未知な事に、不安を覚えます。人間は常に、自分の過去の記憶や経験に基づいて未来や未知の事について予測しています。そして、その解答を探し出そうとしています。そして、色んな解釈や予測をしています。これは脳がそのようになっているのです。でも、未来や未知に対する解釈や予測ができない時、不安感に苛まれます。不安を長い間脳にキープし続けることはとても苦痛です。ストレスです。身体や脳にストレスホルモンが発生して、その状態を回避しようとします。それでもそのままにしておくと、身体や脳が弱ってきます。人間はそのようにできています。ですから、不確実な事は不安の引き金になって脳や身体を弱らせますから、人間にとっては嫌な事なのです。不確実な事は確実な事にしないといけないと身体が強く訴える理由があるのです。

 

ですから、この不確実性や確実にするためには、習慣を作ることが重要になるのです。習慣を作ることによって、行動や実践が継続して、不確実性から確実性に近づき、高い確率で結果や成果が生まれます。行動や実践が習慣によって自動化すれば、大した労力なく、極端に言えば、毎日歯を磨くように、確かな結果が生まれ続けます。ですが、ここにも問題があって、習慣が形成するには時間がかかるという事です。脳の神経細胞はネットワークを形成していて、このネットワークが変化するには時間がかかります。このネットワークの変化が、習慣を作る脳や身体の変化に相当します。自分自身の変化です。神経細胞は可塑性があって、変化可能ですが、それは繰り返しが必要です。習慣化には、一般に、数週間かかります。二週間くらいかかります。ですから、その二週間は、「我慢」「忍耐」「辛抱」によって、継続しなければなりません。ここで、「我慢」「忍耐」「辛抱」が出てくるのです。

 

「我慢」「忍耐」「辛抱」は習慣を作る重要なキーワードです。習慣を作れれば、結果が出て、良い成果につながれば、自分も周りも喜びます。そのためには、数週間の時間が必要なのです。この数週間がカギとなります。「我慢」「忍耐」「辛抱」です。未知や不安の為の「我慢」「忍耐」「辛抱」が必要になるのです。「我慢」「忍耐」「辛抱」は、美徳であり、良き伝統であることは確かです。ですが、それだけでなく、それよりも大事な、実質的な意味があるのです。だから、それを理解して、永遠の我慢ではなく、実質的な数週間の我慢と思って、トライしてみてください。