毎日の習慣や哲学の実践をつづるブログ

毎日の習慣、考えている事、実践について、基本哲学好きとして、とにかく書き続けています。

おひとり様ミッドライフクライシス。多様な個人の時代。

40代を超え、働いている人も、結婚して夫婦で暮らしている人も、子供がいる人も、独りで暮らしている人も、それぞれ様々な問題を抱えていると思います。人生こんなはずじゃなかったと嘆いたり、これから先出世も難しく会社に希望を感じられなかったり、子育ても上手くいっていないのではないかと不安になったり、身体の衰えに人生のピークを感じたり…。本当に、人それぞれ、自分だけの悩み、苦しみ、挫折感、絶望感、を感じて、毎日のようにノックダウンし、憂鬱に苛まれていると思います。

 

以前から、そういう事を「ミッドライフクライシス(中年の危機)」と言ってきました。ですが、21世紀に入って、個人個人の人生が多様化して、現代のミッドライフクライシスは以前のものとは変わってきていると思います。100歳時代とも言われるようになって、特に日本のような長寿の社会は、その言葉はリアルに感じられると思います。従来の日本社会の設計は、年金をはじめとして成立しなくなっていますから、もはや現代の人々は個人の人生に放り投げられているわけです。個人個人に、各々の生き方がゆだねられているわけです。だから、旧世代の40代のミッドライフクライシスとは異なる、今までにないミッドライフクライシスを、多様に生きる個人個人が、独自に体験しているわけです。過去の前例とは異なります。未知のクライシスへと突入しているのです。

 

と言うと、不安や焦りや絶望感を煽るように聞こえるかもしれませんが、私はそれを言いたいわけではありません。この一人で迎える多様なミッドライフクライシスを、失敗感や挫折感、絶望感を、新たな人生のチャンスに変えていくきっかけにしていこうと言いたいのです。このような挫折感や絶望感は、身体が全身で自分に訴えかけてくるものです。心身が自分にその危機を伝えてくれているのです。確かに、その心身からの感情への訴えは堪えます。打ちのめされて気を失いそうです。でも、この毎日の心身からの悲痛の叫びに応えることが、人生を切り開く新しいチャンスになるのです。

 

チャンスとは何かというと、変化のチャンスです。人間の生きる方法とは、変化であり、進化です。人間を含むすべての生き物は進化しています。だから、この危機を、新しく進化するチャンスにするのです。そこで、このミッドライフクライシスにぶち当たった時、この危機をチャンスに変えるにはどうするか、心身からアプローチを中心に考えていきたいと思います。

 

まず、きっと、ミッドライフクライシスを迎えているときというのは、毎日がクライシスだと思います。一日一日、ノックダウン寸前です。心身が、力いっぱい感情的に危機を訴えてきます。人間は確かに嘘をつきますが、身体は嘘をつきません。挫折感、絶望感、焦燥感、憂鬱感、あらゆるネガティブキャンペーンをしてきます。だから、この痛烈なネガティブキャンペーンをまずは受け止めるのです。そのつらさをそのまま受け入れるのです。そして、その事に苦しんでいる自分に気付いてあげるのです。「自分は限界を感じているんだな。」と。そう思い始めたとき、チャンスが訪れます。人間というのは、内面に主体である自分と、客観的に自分を観る自分の、二人の自分を作り上げることが出来ます。仏教用語の「観自在菩薩」はこのような仕組みの事を含んでいます。自分の挫折感、絶望感を、もう一人の自分が聞いてあげるような構図です。自分で自分のありのままを観る事が出来たとき、挫折感や絶望感の辛さから向き直って、立ち上がり乗り越えるきっかけになります。だから、最初のステップは、毎日自分の事態をしっかり受け止めるという事です。

 

そして、人間は、起きてから寝るまで、太陽が昇ってから沈むまで、一日一日のリズムの中を生きています。太陽を公転しながら自転している地球に棲むすべての生き物はこの一日の人生を生きています。毎夜死ぬように眠り、毎朝リボーンです。身体はそういう風になっています。そして、人間の活動、行動は、習慣で成り立っています。毎日毎日同じことをしたり、また習慣を変えたりして、日々暮らしています。一日の中に、変化するきっかけになるものはたくさんあります。大きなものであるである必要は全くありません。そうやって、毎日、変化、進化のチャンスがあります。小さくても、挑戦と言えます。それが実際的なこのクライシスの乗り越えにつながります。

 

もうひとつ、人間のリズムには、数週間から一週間のリズムがあります。脳の神経細胞の可塑性に基づく記憶学習は、数週間で変化が定着していきます。新しい習慣を身につけるには、およそ二週間の継続が重要です。二週間新たな取り組みを継続できれば、その新しい習慣は身についてくるはずです。そうやって、二週間という進化の期間を意識して、今までにない新しい自分を作っていきましょう。

 

現代の40代のミッドライフクライシスは、過去のミッドライフクライシスとは違います。おひとり様の時代と言われるように、おひとり様のミッドライフクライシスです。多様な個人の時代、100歳時代にあって、その危機は大変なものです。ですがそれは、皆同じです。身体が全力で、進化を要請しているのです。毎日のように身体が感情に訴え、ネガティブキャンペーンをしてきます。だから、その事をしっかり受け止めるのです。それが再生へのチャンスになります。そして、人間の一日のリズムに基づいて小さな変化に挑戦し、二週間のニズムに基づいて新しい習慣を作り継続して進化するのです。必ず、この”おひとり様ミッドライフクライシス”を乗り越えることが出来ると思います。人生はいつまでも進化です。