昨今、自己理解や自己認識などの重要性がよく言われていますが、そのためには、言葉というものをより良く使うことが重要です。
言葉を使うこと無しに、自分を理解したり、自分を認識したりすることは難しいからです。
自分と向き合って、自分が今感じていることや思っていることを言葉にするということは、自己理解においては重要です。
自分が今何を感じ、何を考えているのか、より正確に理解できなければ、ただ周りからの刺激に反応し、感情に振り回されるだけになってしまいます。
自分の感じている感情を理解することは確かに簡単ではないですが、それを言葉にして明確にしようとすることによって、少しずつ自分が感じていることがどのようなことなのかが分かってきます。
自分という存在は、確かに人間社会の中にあるかもしれませんが、その中にだけしか自分は存在しないというようになり過ぎると、生きるのが難しくなります。
人は人間社会の中で支え合いながら持ちつ持たれつの関係で生きていくことが可能ですが、他の人と自分は違うのであり、自分はその中で自分として生きていくことが出来るのです。
人間はそもそも自己理解のために、言葉を生み出したわけではないですが、言葉を使うことによって自己対話することを可能にし、より自立した生き物になってきています。
もともと集団の中の生き物であった人間が、言葉とともに、個としての自立した存在になりつつあるのです。
自分は自分、他人は他人なのです。
人は他人に頼らなければ生きていけませんが、頼り過ぎるとそれも生きるのを困難にします。言葉は、自分自身を自立に促すことに役に立つのです。
自分自身のことはできるだけ自分で支えられるようになって、出来ない部分は互いに支えあう。人類はそのような方向に向かっているように見えます。
人類の歴史は、人間がより自由に生きる方向に向かっているのです。
自由というのは、自分勝手に生きていく、という意味ではなく、自立して生きていくということです。
その生き方は簡単ではないですが、自己理解を高め、自己認識を進めていくことによってより可能になっていくのです。
言葉は、自立していくことに極めて有効です。自分と向き合って、自分の言葉を使って自己対話を進め、自分をよく知り、自分をより理解するのです。
そして、自分とより関わって、交流するのです。
人間はそのようにして生きることが可能なのです。言葉とともに、人間は自立し、自由に生きていくのです。