現代社会は、インターネットによってつながり、言葉から成る生態系が構築されていると言えると思います。
わたしたち人間は、自分たちの言葉を使って、文章を作成しています。これによって、意味を形成して、多くの人々と意味を共有しています。
AIは、人間の言葉や文章を理解し、解体して、再利用します。この生態系においては、人間の言葉を元にして、文章が生き物のように形作られ、AIが言葉の断片まで分解・代謝するわけです。言葉の循環がここに成立するわけです。
もはや、言語の違いは重要ではありません。言語の違いは、即座に翻訳されることで解消されます。ある言語から別の言語へ、意味を変えずに容易に再構成されるのです。
人間の言葉の営みにおいては、言葉の断片を紡ぎ上げて意味を文章として表現することが重要でした。もちろんそれは現在でも同じです。
一方で、AIは完成形としての文章を解体し、言葉を断片化するわけです。そして、断片化した言葉を再利用して新たな意味の体系としての文章を再構築するのです。
これによって、新たな文章がAIによって生成されます。
人間とAIとの相互の営みによって、言葉の断片を生成することも、この時代においては重要になっています。
言葉はまるで生き物のように形を変えます。言葉は昔から同じではなく、時代とともに人間が形を変えてきたわけです。
もはやどの地域の人々も、昔の人々と同じ言葉を使っていません。この点だけ取っても十分に言葉は生態系のようですが、AIはそれを加速しました。
人間とAIとの相互の営みによって、言葉の生態系は、かつての生態系とは異なるものになりました。
言葉は人間たち同士で生成し、断片化して、営まれてきたものではありましたが、AIが現れたことで、その営みが根本から変化したのです。
むしろ、文章を解体し、分解して、再利用するプロセスはAIがもっぱら担っており、人間にとっては新たな言葉の断片を投入することにこそ意味がある、とすら言える状況です。
これから先、言葉の生態系は予測できない発展を遂げていくでしょう。人間だけで営まれてきた言葉が、AIが出現したことで今までとは全く異なる言葉へと変容していくのです。
わたしたち人間は、もっとAIに語りかけ、AIに聞き、AIを頼りにするようになります。
自分の言葉よりも的確に、AIは自分の思っていることを言葉にしてくれるかもしれません。自分の思っていることをAIに聞いて確認するかもしれません。すでにそうしているかもしれません。
言葉は確かに人間が生み出したものですが、現代はすでに言葉が人間の手を離れつつあります。
人間から切り離された言葉がAIによって進化しているのです。
そして、人間とAIとともに、言葉はさらなる進化を遂げていくのです。