人間は、忙しく、慌ただしく、落ち着きなく生きがちです。もっと時間をかけて、もっとゆっくり生きていいはずです。
他の動物たちは、確かに忙しく生きています。生きている時間のスケールが違います。
虫などは、人間なんかよりせわしなく、落ち着きなく、動き回っています。まるでただ反応しているだけのように見えます。
他の哺乳類たちだって、確かに人間より速く動き回っています。ネズミもウサギもすばしっこく動き回っています。
彼らに余裕なんかありません。ゆっくりする時間なんかありません。あるかもしれませんが、そんなことよりも逃げることを優先しなくてはなりませんから、いつでも動き回れる俊敏さを持っているのです。
ですが、人間はそれらの動物に比べれば時間は持っています。むしろ、時間的な余裕を持ったことで生存確率を上げてきたのです。
周囲への警戒や防衛しかなければ、生き物はそれらに高速に反応する仕組みだけを備えることが重要です。
ですが、そこに時間はありません。余地はありません。余地のない世界に、安心感や喜びや幸せはありません。考える時間もありません。
ただ、時間がないよりある方が、長い意味では生存確率が高まります。人間はそうやって生存確率を高めてきたのです。
余裕なく、慌ただしく過ごしても、それはただ周りに反応するだけの毎日になって、そこに余裕や心の落ち着きはありません。安心感や豊かさはありません。
人間はもっと時間を持っているのです。時間を作っていいのです。
時間をもっとゆっくり持たないと、自分の感情にも振り回されます。感情の反応は速いのです。ですが、この感情に対して上手くコントロールして生きていくには時間が要るのです。
自分を見失わずに、自分を取り戻して、自分でいるためにも、時間は要るのです。
1秒でやっていることを2秒でやるくらい、時間をゆっくり使うのです。時間を倍かけたところで、大した違いはありません。人間の寿命も延びています。
人生50年の時代から人生100年の時代になろうとしているのです。むしろ、時間をゆっくり使ってきたから寿命が伸びてきたようなものです。
時間というものはそもそも人間が自分で作りだしたものです。何かに囚われ、振り回されているだけの時は、時間なんて感じていません。時間があるときというのは、そういう時間を自ら作り出して感じているのです。
余裕があって、時間を感じるのです。だから、もっとゆっくり過ごしていいのです。ゆっくり生きていいのです。