朝起きるとき、実際には目が覚める前からすでに頭の中は、憂鬱だったり不安だったりします。起きてしばらくも憂鬱感がとれず、今日も出かけるのが億劫、ということもよくあるわけです。
とは言え、「今日も出かけないといけない」という自分に対する規範のようなものが自分をいつも支度へと運んでくれて、そして、いつものように出かけるわけです。
いつもの支度の間に、徐々に身体は、ラジオ体操での準備運動ように、あるいは、プールに入る前にプールサイドで身体を水にならすように、出かけるモードになっていって、そして、朝の憂鬱さや気分の悪さとは関係なく、外へ出かけるわけです。
そのようにして、人間は自分の身体を運用しているわけです。
人間の脳はポテンシャルが大きくて、これまでの記憶や想像(妄想といってもいいかもしれない)によっていくらでも不安や憂鬱が膨らみ、自分自身を不幸な気持ちに陥らせるわけです。
ですが、身体がいつもの習慣によってそれを消去して、徐々にいつもの活動している自分を取り戻しているわけです。
脳は暴走するわけで、むしろ身体と習慣が脳を抑制して、自分の身を守るわけです。
人間は暴走しがちの脳に対して無防備であってはいけないのです。脳はいくらでもそのポテンシャルを広げ、起こりもしていないことをめいっぱい脳内の空間に押し広げ、周りの人との比較から、自分をどん底にまで突き落とすわけです。悪い意味で、自由自在です。
だから、自分自身を脳に任せない、脳に乗っ取られない、そういう運用が大切なのです。
身体と習慣によって適切に脳に介入して、いつもの生活を取り戻すわけです。暴走する脳が、少しずつ落ち着いてきて、身体とともに平常な状態に戻るのです。
脳はネガティブな感情に振り回されるばかりではありません。確かにネガティブな方向に流れやすいバイアスはあります。人間の脳は生存を優先するようにできているから、ネガティブな感情を引き起こして生存につながる行動に動機づけようとするのです。
ですが、それだけではありません。ポジティブな感情で満たすこともできます。脳が落ち着き、安心を感じられれば、自然とポジティブでいる余地が生まれます。
だから、人間は脳に任せず、身体と習慣によって暴走しがちな脳から自分の身を守りながら自分を運用するのです。そのようにして、いつも自分を立て直すのです。
そうすることで、脳はより良くそのポテンシャルを発揮してくれるのです。