昨今は、黒字でも早期退職の募集をかけている企業が増えているようです。赤字ならまだしも、黒字で早期退職を募るということです。
大企業は特に、自分たちの市場に対して将来の見込みが十分でなければ、現在は大丈夫でも、将来は抱えている従業員の雇用を支えられないということでしょう。
そうすると、企業としては将来に見込みのある新しめの市場に従業員を当てていかないといけないわけで、それでも将来の利益の見込みが十分でなければ、雇用人数を減らすしかないということなんだと思います。
一方で、人材不足という問題も抱えています。あらゆる職場で人が足りないというわけです。どの部署も、どの職場も、どの業務も人が足りないわけで、その意味で、キャリア採用など労働力のニーズは常にあるわけです。
黒字でも早期退職は促し、一方で雇用のニーズはあるというねじれた状況です。それとこれとは別の話だということです。
企業としては、単純に、抱えている従業員の数を減らしたいということです。まず減らさないと、将来賃金を払えなくなるという懸念からです。
だから、人材不足とは関係なく、まずは人を減らすということです。将来見込みのない市場で戦っている企業にとっては、そのことが優先事項なんです。
人材不足は人材不足で、依然として問題を抱えています。人を単純に補えば解決するものでもなく、人材を有効な人材として上手く機能させる力がなければ、いくら人を投入しても解決しません。
企業の強みは、共同で働くことであり、周りの人たちと上手くやっていく力は重要であるわけですが、このファクターは見過ごされがちで、実際の部署や職場では機能不全に陥っているわけです。
実際、誰が職場に必要で、部署に必要で、つまり会社に必要であるかなんか分からないから、同様に、どのような新たな人材が今の職場に必要で、部署に必要で、会社に必要であるかも分からないんです。
とは言え、職場や部署の生産性の問題よりも、多すぎる従業員の数をいかに減らすかの方が喫緊の課題であるため、人材不足が問題なんて言っていられないわけです。
そのようにして、勤務年数の長い年配者の従業員から辞めてもらう流れはしばらく継続していくように思われます。
企業から人が減り、企業も小さくなり、働いている人の数自体が減っていく中で、どのように経済成長していくのか。
経済成長は一定の期待があるものの、実際には、多くの従業員は労働市場から退出させられているのです。それでどのように経済成長していくのでしょうか。
この社会において、働く人も、そもそも、人も減っていく中で、経済成長はどのように維持されるのでしょうか。