自分の事でありながら、自分の感情の事が案外分からないわけです。
心は確かに常に動いているわけですが、何故そのように動いているのか、自分のことながら分からないわけです。
自分の心の状態が分からないと、つらい時につらい状態から抜け出せません。
対処療法的に、あまり考えずに切り替える。これもひとつの解決方法であり、有効ではあります。
ですが、感情には、そのように動いた理由があるわけで、それがつかめるかつかめないも、重要ではあるわけです。
若い時は、周りで起こっている事に自分が振り回され、さらに、それに伴って自分の感情も振り回され、そして、その感情の変化に自分自身がまた振り回されるわけです。
自分に対する感情の影響は大きいですから、感情の起伏が大きいと、それに自分自身がストレスを感じ、疲れ果ててしまうわけです。
ですから、自分の感情を自分でコントロールする事はとても重要であるわけです。
その為にも、自分が何故そのように感情が動かされるのか、何故そのように感じたのか、そういった事を出来るだけ知りたいわけです。
ですが、感情ですから、ある意味雲をつかむようなところがあり、容易には分からないわけです。
何か大きな事があって、それによって大きく感情が動いた時、特に、つらい気持ちや苦しい気持ちになった時、それが何の原因によるのか、即座に分からないわけですが、同じような心の動きが2回あった時、その原因は1回目の時より、気付きやすくなっています。
感情の動きはすぐには分かりませんが、何度もそのような動きを経験していると、客観的に掴めるようになるわけです。
ですから、すぐには自分の感情の動きが分からないとしても、時間をかけて、振り返りながら、その理由を探るのです。
時間はかかりますが、自分の感情が分かるようになれば、その問題に対しては、対応できる可能性が出てきます。
また、自分の感情を知るという事自体が、安心や喜びにもつながります。
自分の感情は自分の事でありながら、自分でも分からないわけで、でも、それをそのままにしていると自分で自分につながれないままになってしまうわけです。
自分で自分につながれないというのは辛い事です。ただ生きている、という感じになってしまいますから。
ですから、自分と向き合って、自分の心を知る事に努め、そして、自分の心を知ってあげる。それだけで、十分心は落ち着き、満たされ、安心するのです。
自分の感情と向き合う事は、それ自体がつらさを伴います。ですが、向き合わなければ、いつまでも苦しいままで、その方が苦しい事もあります。
ですから、時間がかかってもいいから、自分の感情を知るんです。