人は自然と不安を感じます。不安を感じない人はいません。漠然と不安を抱えてもいるし、具体的な事が原因で不安を感じている事もあります。
ですが、人はその不安にはあまり気付かず、その表れとして、もっと自分を良くしたいという願望を抱きます。もっと何か良い事があってほしいと自分に期待してしまいます。
とは言え、実はそんなに具体的な何かを期待しているという感じでもなく、単に「良い事ないかな。」という感じで、漠然と期待しています。でも、具体的な願望でもないから、叶えようがありません。
実は、その事は、本当に何か願望や期待があるわけではなく、単に不安を感じているから、それを埋めようと、代替的に良い事を期待しているだけです。
ですから、よく分からない願望や期待感に自分を任せるのではなく、自分のネガティブな感情としての不安に目を向ける事です。
自分が何に不安を感じているのか、よく自分を観て考える事です。問題なのは、願望や期待感ではなく、不安を感じているという事です。
一体自分は何故そんなに不安を感じているのか、より知ろうとする事です。案外、そのように不安を感じている自分に気付いていません。
その意味で、ずっと自分のネガティブな部分をないがしろにしてきたわけです。
それは、自分を自分こそが軽視しているし、大事にしていないわけです。
例えば、自分が何かについて出来ないという事実に対して、恥ずかしいと思っているかもしれません。日本人は恥の文化があって、自分自身も何かしら恥ずかしいと感じている可能性があります。
本当は何も恥ずかしくないのに、自分の不安感が、恥を認める事が出来ないでいたりします。
日本人は、普通でないといけないという病におかされている場合があり、普通にできていない事に恥を感じています。ですが、それは恥ずべきことでも何でもないし、また、仮に恥ずかしいと感じていてもそれを無視してないがしろにしてしまっているわけです。
ですから大事な事は、自分にもっと寄り添う事です。不安を抱えている自分をよく知る事です。よく知って、「それは恥ずかしい事ではない」とちゃんと正しい認知を与えてあげる事です。自分は恥ずかしいと誤解しているわけですから。
そのようにして、まずはちゃんと自分を知る。自分に関心を寄せる。自分の不安感に気付く。そうする事で、不安が軽減し、解消していきます。
ですが、それでも不安を抱くのが人間です。そして、それでいいんです。それが自然だし、不安を感じているという事もちゃんと認めてあげるんです。そうする事で、過剰な期待や願望も必要なくなり、より自然に気楽に居られます。そもそも、今の自分で問題ないんですから、そういう自分にちゃんと気付いて、ちゃんと認識する事です。