毎日の習慣や哲学の実践をつづるブログ

毎日の習慣、考えている事、実践について、基本哲学好きとして、とにかく書き続けています。

人間は過去や未来の時間を創り出すだけでなく、「今」という時間を創り出している。

人間が他の動物より凄いと思うのは、時間というものを自分の中に作り出す事だと感じます。

 

時間というものに関して、人間が脳内でやっている事は、過去の記憶を振り返ったり、未来の事について予測したりする事です。この能力によって、不測の事態に備える事が出来、その結果生存可能性が上がります。つまり状況に対する適応力が高いわけです。

 

このように、過去の経験や記憶を参考に未来を予測する事によって、過去から未来への時間を作りだしているわけですが、これは、自分の中に物語を創る能力とも言えます。自分の中に物語を創る力によって、自分自身の世の中に対する把握、理解としての世界観であったり、自分自身のアイデンティティのようなものだったりするものを創造します。

 

ただ、このように言うと、過去から未来を予測する事が人間の凄いところという感じになりますが、それだけではないと思います。過去や未来を作っているだけではなくて、「今」を作っているという事です。「今」があって過去や未来があるのではなく、過去や未来があって「今」があるのです。

 

仏教でも、「今」とか「ここ」を大事にします。人間は「今ここ」を大事にするという事を一生懸命やってきたわけです。

 

仏教でなくても、日常な事について、今に集中する事を求められます。今に集中するには練習が必要です。集中力にはエネルギーがかかりますから、長時間続けることは困難です。

 

「今」に集中できないと、容易に過去や未来に頭の中は発散してしまいます。これは悪いと、過去の事にずっと縛られたり、未来に対する不安予期につながったりもします。「今」に集中する事によって嫌な過去や不安な未来から解放されます。

 

そして、未来は、予測される未来があるから未来があるのではなく、「今」があるからその延長として未来があるわけです。「今」しだいで未来が変わります。そして、「今」を大事にしていく事が、延長としての「未来」を作っていく、言い方をより正しく変えると、「今」が「今」として進行していくわけです。そのようにして、過去が「今」の痕跡として作られていきます。

 

人は「今」を常に生きているにもかかわらず、その「今」に気付かずに、過去や未来を作っているわけです。そして、「今」を生きる為に、意識を集中させるのです。