朝から、昨日までの事や仕事の事、色んな事について思い悩みます。これらは、いつも頭の中にあって展開しているので、これが不安や焦りにつながって、苦しみを生みます。この事は日々を送っていく上でとても大きな問題で、いかにこの不安や苦しみを小さくしていくかが、とても大事です。
これは、仏教の苦という問題を言っていると思います。仏教では、人間は基本的に苦しみを抱えるという事を言っていて、まさにその通りだと感じます。そして、日々頭の中で思い悩み、苦しみの原因となっている事を、煩悩と言っています。煩悩とは、ウィキペディアを参考にすると、「心身を乱し悩ませ智慧を妨げる心の働き(汚れ)」という意味です。
ひとつ目の苦は「苦諦(くたい)」と言って、仏教が言うところの真理で、もうひとつの煩悩は「集諦(じったい)」と言って、これも真理です。つまり、苦しみも煩悩も人間としては普通に起こりうるという事です。
そのように考えると、毎日色んな事に思い悩んでいるのは、まさに煩悩であると言えます。この煩悩が苦しみの原因になっているという事です。煩悩とは、心身を乱し悩ませるところから始まるわけですから、この心身を整える事はとても大事なように思います。
基本的には、あらゆる問題は、智慧を働かせることによって明らかにして、そして、苦しみの原因を取り去っていくわけですが、心身が整っていないと智慧は有効に活用できません。
この煩悩を消し去って、苦しみを消滅させることを「滅諦(めったい)」と仏教では言うそうですが、これも真理のひとつです。ですから、いかに煩悩を滅していくかが日々取り組むべき事で、その意味でも、心身を常に整えておくことは基本という事になります。
そういうわけで、日々、心身を整える習慣を持っておくことが大切だと思います。適切な睡眠をとる事も、食事をとる事も、基本的な大事な生活習慣ですし、身体が運動不足にならないように日々動かす習慣を持っておく事も身体にとって大事な事です。
呼吸をちゃんとする事も、小さな事ですが大事ですし、水を飲んだり、姿勢を正したりする事も大事な事です。このような生活していく上で基本的な事が整っていないと、心身が乱れて頭を悩ませてしまうという事です。
智慧を働かせて、思い悩んでいる問題を解決する事を重要な事ですが、それ以前に、心身を整えておかないと、智慧は役に立ちません。だから、思い悩んでいる苦しみにすぐに向き合おうとする前に、まずは心身を整える。非常に重要です。心身が整えば、智慧は自然と働いて、問題は解決されていくように思います。