毎日の習慣や哲学の実践をつづるブログ

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ポリヴェーガル理論から考える「社会交流」する生き方。腹側迷走神経系と自然(じねん)。

自律神経、迷走神経に関する理論としてのポリヴェーガル理論では、「社会交流」する迷走神経を活性化させる事に着目しています。社会交流とは、他人に対して優しくなれるような、友好的になれるような、身体的にも心地良い状態です。この迷走神経は、生物の進化的にも哺乳類が出現した後半の方で発達してきたもので、人間を含む哺乳類達が生き延びる事が出来た重要な神経系です。

 

自律神経系には、この「社会交流」と言われる腹側迷走神経系の他、最も古い背側迷走神経系、そして、交感神経系があります。

 

背側迷走神経系は、生命の危機を感じたときに活動を止めるような働きをします。この神経系が働くと、身体の動きを止めるねずみの「死んだふり」状態や、鬱状態になります。現代では、この状態になると生きづらくなってしまいますが、人間の生命の維持に何かしら機能してきた神経系とも言えます。

 

交感神経系は、一般に、闘争・逃走反応に関係する神経系です。日常のストレスの多い社会でやっていくには、この神経系が正しく機能する事は必要です。一方、スポーツなどでもこの神経系は活発に働きます。動物が生きていくのは、この交感神経系が機能している事が重要で、常に周りを警戒し、危機になったら戦ったり逃げたりする事が出来る事は生命が生き抜く基本です。

 

そして、腹側迷走神経系は、上に述べた社会交流する神経系と言われています。安心感があって、優しい気持ちになったり、何かを育みたい気持ちになったりします。

 

人間が生きていく上では、明らかにこの3番目の腹側迷走神経系の機能を活かして生きていく事が望ましいと考えられます。

 

自律神経系の活動には、上の3つの他、良い状態として、あと2つの状態があります。

 

ひとつは、交感神経系と腹側迷走神経系の混合状態です。これは、好戦的な状態と、社会交流する状態が混合したような状態で、みんなとスポーツをするような状態です。

 

もうひとつは、背側迷走神経系と腹側迷走神経系の混合状態です。これは、リラックスして、心が静かで、人と親密に安全に過ごすような状態です。

 

いずれにしても、腹側迷走神経系の状態を活性化する事が、人間が人間として生きていきやすい状態です。そして、この状態を身体にアプローチして、自然と交感神経系と結びついた混合状態や背側迷走神経系と結びついた混合状態である事が、より生きていきやすいと言えます。

 

ここで言った「自然に」とは、仏教用語での「じねん」の意味をなるように思います。腹側迷走神経系を中心にして生活をしていけば、自然にしたがって、能動的に、自発的に、心地良く前向きな方向に向かっていくように思います。