毎日の習慣や哲学の実践をつづるブログ

毎日の習慣、考えている事、実践について、基本哲学好きとして、とにかく書き続けています。

意識や気分の話から、生命とはイオンのダイナミクスという話

相変わらず私は意識とは何だろうという事に関心を持っているわけですが、今思っている意識とは、人間とか私とか、自分自身を生命たらしめている実体だと思っています。

 

意識に関する研究は、脳科学認知科学神経科学、コンピューターサイエンスなど、様々な分野で進んできていて、実際意識は、脳の覚醒度という物理量で脳波や磁場によって測定する事で議論されたりしています。

 

意識というのは、自分自身の在りかとして、脳を中心として存在しているんだろうと想像しています。主には脳の神経細胞のネットワークやその活動によって議論されるものが多いですが、近年の脳科学や神経生理学では、神経細胞の発火に伴う活動電位の発生だけではなく、神経細胞の周辺の液体部の電場の揺らぎみたいなものも注目されています。活動電位より電圧は低いものの、わずかな電圧の揺らぎが観測されていて、このような神経細胞を取り囲んでいる液体の電場成分としての揺らぎが「気分」を支配しているのではないかという説もあったりします。

 

そのように考えると、意識というのは、海みたいなものだと想像します。もうちょっと言うと、海みたいなものから発生したもの。神経細胞自身もその中身のかなりの部分は水から成ってはいますが、一方で神経細胞自身は海のような液体に浸かっているような状況でもあります。海の中には、様々な分子やイオンが溶け込んでいて、それらが電気的な性質を帯びて漂っているわけですから、神経細胞が浸かっている脳脊髄液とか脳間質液とか呼ばれている液体部は海と似たようなものだと思います。

 

気分は、意識としての海を支配しているものというか、意識の性質みたいなものに相当するんだろうと想像しています。海の波であったり、海の流れであったりするように思います。特に渦の発生や大嵐、台風のようなものも生じますが、それらは情動のようなものなのかなと想像したりしています。

 

海にせよ、脳間質液にせよ、その中身は、電荷を帯びたイオンや分子がいっぱいです。そして、波や流れがあって、常に海は揺れ動いていて、イオンは常に揺らぎ、動き回っています。それに伴って、電場や磁場成分も揺らいでいます。そのようなイオンのダイナミクスは、電気的な振る舞いとして観測する事で確認する事が出来ますが、本質は、イオンなどの電荷ダイナミクスです。

 

半導体の世界では、電子工学としてのエレクトロニクス(electronic)というワードがあって、半導体中の電子や正孔のダイナミクスを議論しますが、基本的には固体物理の世界です。液体の電気化学に関するものの中でも、エレクトロニクス的な議論がされますが、電子や正孔をイオンなどの電荷に置き換えて議論する事も実質的には可能で、近年はそれをイオントロニクス(iontronics = ion + tronics)と呼んでいます。

 

意識や生命は、その根源を科学的に考えていくと、イオントロニクスの世界と考える事も出来ます。イオンのダイナミクスから生じたものです。そう考えると、意識や生命の本質にもっと科学的に迫れるような気がします。また、意識は、海や水のようなもの、液体のようなものが本質だと思うと、地球と宇宙を隔てる地表に存在する薄い液体のレイヤーに人間は存在でき、また、その地表の7割が液体としての海であるという意味で、意識は自然の中の生命の生じる場所、境目として、液体から生まれたというのは、凄く納得できるし、凄く自然性を感じて壮大な気持ちになります。