毎日の習慣や哲学の実践をつづるブログ

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「メディア」という言葉の意味を理解して時代を生き抜く。

メディアという言葉をよく耳にしませんか。インターネットやテレビみたいのものをメディアと言ったりしますが、だから何だ、という感じがします。でも、どこでもメディアというワードは出てくるし、よほど重要なワードだろうと思われます。

そこで、メディアとは何かについて考えたいと思います。実際メディアとは色んな意味が重複していて、それが複合的に合わさったような意味があります。そして、強調したいことは、これからはもっと重要な意味を持つようになるようにも思います。そこで、メディアの幾つかの意味を説明したいと思います。

 

まず、メディアという言葉の定義ですが、媒体、媒体物の事です。少し言い方を変えると、代替、代替物の事です。何かの代わりになることができるという事です。そして、交換可能なものという意味を含んでいます。だから、例えば、貨幣=お金というものがありますが、これは商品の代替物であり、お金は交換可能なもので、商品をお金を媒介物として交換できます。まさに、お金はメディアです。お金は、価値とか信用とか、そういう言い方もしますが、それらはお金というメディアで代替可能だというわけです。

 

そして、メディアとは一般に情報の事を指します。教科書的には、グーテンベルク活版印刷から説明がよくされます。宗教革命のときに、活版印刷による情報の大量生産によって、情報が人々に拡散し、より多くの人に影響を与えました。メディアは人々に影響力を持つのです。その後、新聞が発行されます。これにより、同じ言葉を使う国中に人に、情報誌である新聞を共有することによって、地理的に遠い会ったことのない人とも同じ情報を共有したり、同じ国の遠くの人の暮らしを新聞によって想像したりすることが可能となり、国中の人々の同じ国の人同士であることを強く認識して結びつけました。この力がメディアの力であり、国家とはまさにメディアの力により成立した「想像の共同体」です。国家の成り立ちをこのメディアの力で説明できるというわけです。そして、ラジオもメディアです。20世紀初頭は、政府から一般市民への一方方向のラジオを介したメディアの力で国民を導引した時代でした。これに抗するように生まれたのがジャーナリズムであり、正しい情報が一般の人々にも届くように活動したものでした。テレビももちろんメディアの力を持っており、テレビは映像を伴ってラジオより強い力で一方的な情報の拡散を促すので、今やNHKをはじめとする報道の人々はメディアの力を持っているという事で、その責任は大きいとみなされています。そして、インターネットです。インターネットは、テレビとは決定的に違って、双方向に情報が拡散可能です。インターネットの登場によって、メディアの力は格段に向上しました。そして現代、インターネットによるメディアの猛威によって、多くの人々は情報に振り回されるという問題が生まれています。説明が長くなりましたが、メディアとは、一般にこの意味で使われると思います。

 

さらに、人間とメディアと関わりを見ていきますと、人間とは、メディアを操る生き物であるという事です。人間は、抽象化や概念化が得意です。例えば、目の前に"石"あるとします。この石を見て、昆虫や動物が、「あ、石だ」と認識するでしょうか。おそらくしないですね。人間だけが「あ、石だ」と思うのです。しかしながら、だれがそれを「石」と決めたのでしょう。と、このような状況を考えたとき、人間は、対象とするものに、名前という代替するもの、呼称を付けます。これにより、その目の前のものを、「石」という名前に決めるわけです。そうすることで、他の人が「あれはなんだ」と言えば、「あれは石だ」と言う事ができるのです。そうやって、名前を付ける事で他の人ともその情報を共有することができます。これが、メディアの力です。そうやって、あらゆるものに名前で媒介していくことで、みんなで情報を共有することができます。これは、他の動物にはできない、人間特有の能力です。

さらに付け加えると、言葉はメディアです。あらゆる情報を、言葉という媒体によって共有して意思疎通を図っています。言葉によって、多くの人は情報を共有することができるわけです。新聞のメディアとしての力は、まさに、人間の言葉を操る能力によって支えられているのです。

 

そして最後にお話ししたいのが、遺伝子です。遺伝子はメディアです。私たち人間を含むすべての生物は、遺伝子を持ち、遺伝情報を子孫に伝え残していくことで、自分たち自身を後世に伝えています。まさに、自分たち人間は、他の生命も含め、自分自身特有の情報を持っていて、遺伝子にその情報を詰め込んでいます。これがメディアの力です。そして、私たち人間自身は、情報であり、情報子という言い方もできます、人類は、繰り返しですが、他の種と同様に、自分たち特有の情報を残そうとしているわけです。

 

他にも、メディアのついての説明はできるかと思いますが、メディアとはこのように多くの意味を含んでいます。そして、21世紀に入り、ますますメディアが重要な意味を持ち始めています。メディアとは、上で述べたように、情報であり、人々を結び付ける力があり、そして、私たち自身そのものです。インターネットのようなテクノロジーがその重要性を飛躍的に高めています。1つの説明としては、21世紀はますます個人の時代になってきていて、自分自身の情報を発信していく効果が大きくなってきています。インターネットがそのプラットホームになっていて、多くのSNSはそれを効果的に推し進めています。メディアの力は、私たち人間にとって欠かせないツールであり、人々のつながりや力を大きくしていきます。この大きな力に今や私たちは飲み込まれる勢いです。そのくらいメディアの力は大きいのです。メディアの力とは自分たち自身の力でもあり、自分たちを振り回す危険な力とも言えます。

21世紀は、ますます、メディアの力が重要になります。この時代を強く生き抜くには、メディアに飲まれず上手に活用していくことです。メディアは敵ではありません。上手に手なずけることができれば、生きていくことは容易になるかもしれません。